──時間をかけずに強化するには、若年層に強いネット販売企業の買収も有効なのでは。
「タイミングが合えばやりたいとは思っている。ただ、まだ低速走行で様子見している段階なので慎重にいきたい。売り込みは多いのだが、これといった案件がないのが実情だ」
──カタログ事業の売上高1000億円という数字をイメージしているとのことだが、達成するためには、ミセス向け事業の成長も不可欠となる。
「年4~5%前後の成長が必要だ。リストの収集と掘り起こしを今まで以上に強化したい。また、弱くなってきている折込チラシも課題となるだろう。現在、年間購入回数は平均2・5回弱だが、どこまで増やせるかがカギだ」
──家具関連は苦戦が続いている。
「マイナスが続いており、商品力強化が一番の課題となる。リピートを促進するには品質向上が重要だが、チェック体制強化や業者の選別により、ここ数年で飛躍的に向上した」
──テレビの活用は考えているのか。
「チャレンジしたいとは思っている。どの程度の予算を投入するかなど、具体的なことは決まっていないが、予算のうち半分はテレビCM、半分は単品通販などのインフォマーシャル的なものにしたい。テレビCMについては、ベルーナの知名度向上を目指したイメージCMだ。短期的な効果を期待するのは難しいだろうが、長い目で見たい」
──ネット販売の2010年3月期売上高は72億5000万円だった。
「売上高は目標をやや下回ったが、チャネルとして利益を優先したオペレーションを行った。配送日数を大幅に削減した効果がかなり出ており、顧客から『こんなに早く届くなんて』などとお褒めの言葉をいただくことが多くなった」
「今年からは配送予定日を注文時に告知できるようにしたが、キャンセル率の低下に大きく貢献している。早いだけでいつ届くか分からないという状況では、キャンセルや引き取り拒否が起きてしまうからだ。配送までのリードタイムの短さに関しては、他の総合通販と比べても上位に位置するのではないか」
──最近はアマゾンジャパンや楽天など、即日配送を打ち出すネット販売企業も出ている。さらなるリードタイム短縮は考えているか。
「これ以上縮めようとすると、コストが増加して顧客に負担してもらう形となってしまう。現状が最適なサービスレベルではないか。風呂で例えれば熱ければいいものでもなく、ぬるければいいものではなく、重要なのは"湯加減"だ」
──モバイルに関しては、独立した通販サイトとしての展開をやめ、GNTが運営するソーシャルメディアのショッピングコーナーとした。
「従来からの顧客からしてみれば違和感があるかもしれないが、ベルーナのブランドは前面に打ち出している。現状のモバイル通販は黒字を出すのが難しい状況で、他の総合通販もモバイルでの集客には苦労しているのではないか。そのため、リスクヘッジの意味も込めて、モバイルのプロであるGNTと組んだわけだ。ただ、将来的にトレンドが変われば、自社サイトを構築して自社で運営するという選択肢も出てくるだろう。GNTとの協業は、いうなれば楽天との付き合いと同じことだ」
──移行後の状況は。
「ベルーナのことを良く知らなかった顧客が増えている。今までのやり方ではアプローチできなかった層だと考えれば、今回の取り組みは成功ではないか」
──モバイル経由の売上高は。
「ネット販売売り上げのうち、約28%だ」
──今後のネット販売での新規顧客獲得策は。
「これまでネット販売に力を入れていなかったこともあり、先行事例を参考にすることで20~30代に関しては順調に獲得できている。CPOも劇的に低い値だ。また、50~60代についても、当社がパイオニアとしてネットでの成功事例を作りたいと思っている。これまでの取り組みで、熟年層に当たるための法則ができつつある。今シーズンと秋冬でテストを行い、うまく行けば来期にアクセルを踏みたい」 (つづく)
「タイミングが合えばやりたいとは思っている。ただ、まだ低速走行で様子見している段階なので慎重にいきたい。売り込みは多いのだが、これといった案件がないのが実情だ」
──カタログ事業の売上高1000億円という数字をイメージしているとのことだが、達成するためには、ミセス向け事業の成長も不可欠となる。
「年4~5%前後の成長が必要だ。リストの収集と掘り起こしを今まで以上に強化したい。また、弱くなってきている折込チラシも課題となるだろう。現在、年間購入回数は平均2・5回弱だが、どこまで増やせるかがカギだ」
──家具関連は苦戦が続いている。
「マイナスが続いており、商品力強化が一番の課題となる。リピートを促進するには品質向上が重要だが、チェック体制強化や業者の選別により、ここ数年で飛躍的に向上した」
──テレビの活用は考えているのか。
「チャレンジしたいとは思っている。どの程度の予算を投入するかなど、具体的なことは決まっていないが、予算のうち半分はテレビCM、半分は単品通販などのインフォマーシャル的なものにしたい。テレビCMについては、ベルーナの知名度向上を目指したイメージCMだ。短期的な効果を期待するのは難しいだろうが、長い目で見たい」
──ネット販売の2010年3月期売上高は72億5000万円だった。
「売上高は目標をやや下回ったが、チャネルとして利益を優先したオペレーションを行った。配送日数を大幅に削減した効果がかなり出ており、顧客から『こんなに早く届くなんて』などとお褒めの言葉をいただくことが多くなった」
「今年からは配送予定日を注文時に告知できるようにしたが、キャンセル率の低下に大きく貢献している。早いだけでいつ届くか分からないという状況では、キャンセルや引き取り拒否が起きてしまうからだ。配送までのリードタイムの短さに関しては、他の総合通販と比べても上位に位置するのではないか」
──最近はアマゾンジャパンや楽天など、即日配送を打ち出すネット販売企業も出ている。さらなるリードタイム短縮は考えているか。
「これ以上縮めようとすると、コストが増加して顧客に負担してもらう形となってしまう。現状が最適なサービスレベルではないか。風呂で例えれば熱ければいいものでもなく、ぬるければいいものではなく、重要なのは"湯加減"だ」
──モバイルに関しては、独立した通販サイトとしての展開をやめ、GNTが運営するソーシャルメディアのショッピングコーナーとした。
「従来からの顧客からしてみれば違和感があるかもしれないが、ベルーナのブランドは前面に打ち出している。現状のモバイル通販は黒字を出すのが難しい状況で、他の総合通販もモバイルでの集客には苦労しているのではないか。そのため、リスクヘッジの意味も込めて、モバイルのプロであるGNTと組んだわけだ。ただ、将来的にトレンドが変われば、自社サイトを構築して自社で運営するという選択肢も出てくるだろう。GNTとの協業は、いうなれば楽天との付き合いと同じことだ」
──移行後の状況は。
「ベルーナのことを良く知らなかった顧客が増えている。今までのやり方ではアプローチできなかった層だと考えれば、今回の取り組みは成功ではないか」
──モバイル経由の売上高は。
「ネット販売売り上げのうち、約28%だ」
──今後のネット販売での新規顧客獲得策は。
「これまでネット販売に力を入れていなかったこともあり、先行事例を参考にすることで20~30代に関しては順調に獲得できている。CPOも劇的に低い値だ。また、50~60代についても、当社がパイオニアとしてネットでの成功事例を作りたいと思っている。これまでの取り組みで、熟年層に当たるための法則ができつつある。今シーズンと秋冬でテストを行い、うまく行けば来期にアクセルを踏みたい」 (つづく)