日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が独自に設けた「医薬品の安全で円滑な提供方法を考える有識者会議」(有識者会議)は報告書をまとめ、4月6日に都内で会見を行った。報告書では、医薬品の通販・ネット販売を店舗販売の補完的な機能と位置付け。店舗の営業実績に関する条件を設けるべきとし、販売可能商品を店頭取扱商品に制限するほか、初回対面販売の原則などの安全確保に向けたルールを盛り込んだ。報告書については同日に厚生労働省へ提出。他の関連団体にも提示し、医薬品通販・ネット販売のルール整備に向けた議論の喚起を図る考えだ。
有識者会議では、事業者の救済ではなく、医薬品の購入が困難になった消費者の救済を主眼に、第2類医薬品の郵便による通販およびネット販売で行う必要性と、安全性が担保できる許容性について検討。今後の高齢化や過疎化の進展、消費者のライフスタイルの変化などを勘案しネットを含めた通販の必要性が認められると判断した。
許容性の部分では、漢方薬や伝統薬が行う電話による郵便での通販と、ネット販売に大別し、情報提供や相談応需、リスク別陳列、販売責任の所在、専門家の認証、販売記録の保存、薬事監視指導で、「薬事法」の条件を満たすための方法を検討。さらに制度見直しの方向性と条件をまとめた。
その中で、特徴的なのは、通販・ネット販売を店舗の補完機能と位置付けている点。これは、改正「薬事法」が店舗販売と配置販売を前提としたものであることを踏まえたもので、制度見直しの方向性でも、薬事監視の兼ね合いなどから店舗の運営状況を重視。一定以上の継続運営実績や営業時間の条件設定のほか、この条件を徹底するため、扱う商品を店舗で陳列・在庫するものに限定すべきとしている。
また、販売方法についても、店舗販売での対面の原則をもとに、初回対面の原則を提示。初回対面の有効期間を最長1年までとするとともに、商品ごとに対応を検討すべきなど細かな対応に言及している。
一方で、初回対面ができない場合は、電話受注について受注時に症状を確認するとともに、性別や年齢アレルギー暦など一定の項目を設けた相談・販売記録を作成し5~7年保存することを明記。ネットの場合には、受注後に専門家が電話で本人確認をし、同様の相談・販売記録の作成・保存を行うほか、販売後に電話で服用後の状況などを確認することが望ましいとした。
また、1回の販売量の上限設定や郵便等による通販でもホームページを開設し、添付文書の閲覧や薬剤師・登録販売者などの専門化の認証ができるようにすべきと指摘。このほかに消費者の自己責任の問題や苦情・相談窓口の設置にも言及した。
一方、公開ヒアリングで遡上に上がった仮想モール運営事業者の販売責任については、「薬事法」の枠外となるため、踏み込んだ議論は行わなかったが、委員の間では仮想モール運営事業者にも販売責任があるとの見方で一致しており、報告書では、ネット販売の課題として、仮想モール運営事業者と出店事業者の規定の仕方、法的規制や自主規制などを検討する必要があると指摘した。
今回の報告書について有識者会議事務局を務めるJACDSの宗像守事務総長は、「JACDSの総意ではなく有識者会議の中立的な議論でまとめてもらったもの」とし、現行の改正「薬事法」を壊さないことを前提に検討してきたと説明。また、店舗販売業や配置販売業と同じような無店舗販売業の設置議論については、「薬事法」の改正が必要で「(改正に)恐らく4年程度はかかる」(宗像事務総長)とし、来年5月末の経過措置期限切れまでに手当てを行うため、現行の改正「薬事法」の枠組みの中で議論を進めたことを強調した。
昨年7月の閣議決定を受け、厚労省でも第2類医薬品通販・ネット販売の制度整備の検討に入ると見られるが、実際の検討作業では、有識者会議の報告書がたたき台になる可能性が高そうだ。
有識者会議では、事業者の救済ではなく、医薬品の購入が困難になった消費者の救済を主眼に、第2類医薬品の郵便による通販およびネット販売で行う必要性と、安全性が担保できる許容性について検討。今後の高齢化や過疎化の進展、消費者のライフスタイルの変化などを勘案しネットを含めた通販の必要性が認められると判断した。
許容性の部分では、漢方薬や伝統薬が行う電話による郵便での通販と、ネット販売に大別し、情報提供や相談応需、リスク別陳列、販売責任の所在、専門家の認証、販売記録の保存、薬事監視指導で、「薬事法」の条件を満たすための方法を検討。さらに制度見直しの方向性と条件をまとめた。
その中で、特徴的なのは、通販・ネット販売を店舗の補完機能と位置付けている点。これは、改正「薬事法」が店舗販売と配置販売を前提としたものであることを踏まえたもので、制度見直しの方向性でも、薬事監視の兼ね合いなどから店舗の運営状況を重視。一定以上の継続運営実績や営業時間の条件設定のほか、この条件を徹底するため、扱う商品を店舗で陳列・在庫するものに限定すべきとしている。
また、販売方法についても、店舗販売での対面の原則をもとに、初回対面の原則を提示。初回対面の有効期間を最長1年までとするとともに、商品ごとに対応を検討すべきなど細かな対応に言及している。
一方で、初回対面ができない場合は、電話受注について受注時に症状を確認するとともに、性別や年齢アレルギー暦など一定の項目を設けた相談・販売記録を作成し5~7年保存することを明記。ネットの場合には、受注後に専門家が電話で本人確認をし、同様の相談・販売記録の作成・保存を行うほか、販売後に電話で服用後の状況などを確認することが望ましいとした。
また、1回の販売量の上限設定や郵便等による通販でもホームページを開設し、添付文書の閲覧や薬剤師・登録販売者などの専門化の認証ができるようにすべきと指摘。このほかに消費者の自己責任の問題や苦情・相談窓口の設置にも言及した。
一方、公開ヒアリングで遡上に上がった仮想モール運営事業者の販売責任については、「薬事法」の枠外となるため、踏み込んだ議論は行わなかったが、委員の間では仮想モール運営事業者にも販売責任があるとの見方で一致しており、報告書では、ネット販売の課題として、仮想モール運営事業者と出店事業者の規定の仕方、法的規制や自主規制などを検討する必要があると指摘した。
今回の報告書について有識者会議事務局を務めるJACDSの宗像守事務総長は、「JACDSの総意ではなく有識者会議の中立的な議論でまとめてもらったもの」とし、現行の改正「薬事法」を壊さないことを前提に検討してきたと説明。また、店舗販売業や配置販売業と同じような無店舗販売業の設置議論については、「薬事法」の改正が必要で「(改正に)恐らく4年程度はかかる」(宗像事務総長)とし、来年5月末の経過措置期限切れまでに手当てを行うため、現行の改正「薬事法」の枠組みの中で議論を進めたことを強調した。
昨年7月の閣議決定を受け、厚労省でも第2類医薬品通販・ネット販売の制度整備の検討に入ると見られるが、実際の検討作業では、有識者会議の報告書がたたき台になる可能性が高そうだ。