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ファンケル(本社・横浜市中区、成松義文社長)が調剤薬局における健康食品の販売を強化していく。西日本を中心に調剤薬局事業を展開するファルコクリニカルプラン(同・京都市中京区、森正彦社長)が10月1日にオープンした調剤薬局にカウンセリング販売のスペースを設置。専門のカウンセラーを常駐させ、健食の販売支援を行う。
これまで健食は店頭販売に不向きとされてきた。表示が行えず、専門知識を持つ販売員がいない中では商品の十分な説明が行えないためだ。だがここ数年来、医療手段の選択肢の一つに健食を推奨する医療機関がみられるようになり、安価な健食はドラッグストアを中心に競争が激化している。さらに最近では、消費者が安売りの健食より、専門知識を持つ販売員への相談を求める志向が強まっているとされる。
調剤薬局を基点としたファンケルの新たな取り組みもこうした流れに沿うものだろう。
ファンケルでは、ファルコ社が京都市内にオープンした「ファルコはやぶさ薬局」四条烏丸店にカウンセリングスペースを開設し、専門カウンセラーを派遣。カウンセリングにあたってはファンケルが健食の相談対応に用いる「SDI」(健食と医薬品の飲み合わせに関する検索システム)を導入し、顧客の悩みに合わせて健食を提案する。SDIの店舗への導入はファンケル直営店舗を含め初めてという。
展開する商品は、医師の監修による医療機関向けの健食ブランド「クリニケード」のほか、発芽米や青汁、さらに調剤薬局の店舗特性を考慮し、乾燥敏感肌用の化粧品も販売する。今回、初めて「クリニケード」で調剤薬局ルートも開拓した。商品数は健食が72、「クリニケード」が14、化粧品が8アイテムだ。
これまでファンケルでは「クリニケード」を約200の医療機関で展開、健食も400前後の調剤薬局で扱っている。
今回の取り組みは、ファルコ社から提案を受けてのもの。ファンケルとの取引は初めてだが、調剤薬局やドラッグストアで新たな収益源として健食が注目される中、専門知識と販売ノウハウを持つファンケルと組むことにより、同業他社と差別化を図る狙いがあるのだろう。
ただ、ファンケルは医療機関等へのこれまでの卸販売は「堅調に推移している」とするものの、今回の取り組みに対する売り上げ目標は「調剤薬局の今後を見越しての試みのため、あまり気にしていない」と、公表しておらず、事業の成否の判断も「特に期限は設けていない」としている。
調剤薬局では「今のところサンプル配布など予定していないが店舗経験のあるスタッフを派遣し、お声がけはしていく」としているが、医薬品を求める場で未病への関心を引くことができるかは未知数。常駐カウンセラーによる販売は他社に見られない取り組みだけに注目されるが、ファンケルにおいても店頭の健食販売は必ずしも浸透しておらず、期待を込めつつの取り組みとなりそうだ。